クラス・クロス



“ドラグ・クロス”





Preplay.


  GM   じゃあ、『クラス・クロス』のセッションを始めます!
  一同   はーい。



 数人が同じテーブルに着き、紙や筆記具やトランプや飲み物を広げているという、この光景。
 実は、これからゲームを始めるところなのです。

 その名は、『テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム』。  遊び方が書かれたルールブックを元に、「ゲームマスター(GM)」が作ったシナリオを、「プレイヤー」が作った「プレイヤー・キャラクター(PC)」で遊ぶ――
 という、たいへん変わったゲームです。

 そしてこれは、「リプレイ」と呼ばれる新感覚文芸媒体。
 テーブルトークRPGのプレイ風景を録音し、さらに編集して作成された読み物です。

 テーブルトークRPGの遊び方は、実際に遊んで見ないとなかなかよくわからないものですが、リプレイは、このゲームの雰囲気を、おおよそ察する手助けとなるのです。


 ちなみに、今回ここで遊んでいる『クラス・クロス』というゲームは、一部の有志が勝手に盛り上がって作っちゃったオリジナルであり、一切販売されていないものなので、ご注意ください。





  GM   では、世界観の説明をさせていただきます。
 まず、世界がありました。
 ただ、その世界、人間はいるが神がいない。
 そこへ、3柱の神々が、『あ、なんだ、ここ、空いてる世界あんじゃん』とやってきて。
 『ンだよおまえら、俺の邪魔すんなよー!』とケンカを始めました。
  プレイヤーA   どういうことなの(笑)。
  GM   ただ、神々は強大すぎて、互いに殴り合うことができないので、その世界の人々に力を与え、代理戦争をしてもらっている。
 ということで、3つの部族が争っています。
 まず、癒しの神ヴァクナファスの加護を受けた、ウヴォワルド王国の民。彼らは、みんな“癒し手ヒーラー”のクラスを持ち、普通のファンタジーっぽい生活を送っている。
 続いて、兵器の神ログシェイファの加護を受けた、ガークライズ領域の民。彼らは、“機身サイボーグ”のクラスを持ち、肉体を機械で強化している。
 最後は、呪術の神ディヤルクァンの加護を受けた、ユザミィーナ連邦の民。彼らは、“刻印者タトゥード”のクラスを持ち、他人に不幸をもたらし、自らに幸を呼び込む魔術を使うことができる。
 これらの部族が三つ巴に争っており、また、その中央にあるパグラパシス同盟は中立地帯となっていて、『もう戦争なんてやだー』という人々を部族に関係なく受け入れている。
  プレイヤーA   セッションやってて3回は噛みそうだな(笑)。
  GM   で、この世界では、『クラス』が世界観的に認知されています。
 クラスは遺伝するものです。たまに先祖がえりも起きる。
 普通は、このクラス・エッセンスを3つまでしか持てない。
 ただ、強力な才能を持つ者は、これを4つまで持てる。それが君たちPCです。
 では、そんなところで、ハンドアウトを読み上げていきます。



PC1用ハンドアウト

ベースクラス:竜騎士(エッセンス:“竜人ドラゴニック”/“戦士ウォリアー”/“騎士ナイト”)

状況
 あなたは、古代竜に匹敵する力を得るべく、修行の旅を続けていた。
 あるとき、隊商とともに荒野を渡っていた折り、ウヴォワルド王国とガークライズ領域の戦争に巻き込まれてしまう。
 泥沼の戦場で、あなたを救ったのは、ひとりの聖騎士だった。
 彼は、死に際に、“騎士”のクラス・エッセンス・クリスタルを託す。
『娘を頼む――』という言葉とともに。

 約束は、果たさねばならない――竜人の誇りに懸けて。



  GM   というわけで、さっき説明した3柱の大神が来る前から存在していた、古代竜の子孫となります。
  プレイヤーC   クリスタルで託せるもんなんだ。
  GM   たまになんですが、死に際に、その人のクラス・エッセンスが結晶化することがあるんですね〜。
 それをゲットすると、そのクラス・エッセンスをゲットできる。



PC2用ハンドアウト

ベースクラス:機兵密偵(エッセンス:“機身サイボーグ”/“機兵マシン・フォース”/“密偵スカウト”)

状況
 あなたは、ウヴォワルド王国に潜入した、ガークライズ領域の密偵である。
 ひとまず、騎士の名門、デュース家の下働きとして潜入しつつ、情報を収集している。
 そのなかで、あなたは、“奇跡の癒し手”と呼ばれる少女・ラフィーナと友情をはぐくんでいく。

 だが、その平穏は破られた。癒しの旅の途上、あなたたちは、素性を隠した謎の一団に襲われたのだ。
 闘うべきか、素性を隠すべきか。あなたは煩悶する。



  GM   ということで、スパイです。
  プレイヤーB   ウヴォワルド王国に、普通にサイボーグがいて平気なの?
  GM   平気じゃありません。
  プレイヤーC   バレちゃマズいんだ(笑)。
  GM   だから、外見は普通の人間のフリをしている(笑)。



PC3用ハンドアウト

ベースクラス:呪術狩人(エッセンス:“刻印者タトゥード”/“呪術師ウォーロック”/“狩人ハンター”)

状況
 あなたは、ユザミィーナ連邦の“ギヴァの部族”の者だ。
 あるとき、同じ部族の若者であるクィスが、禁忌の呪法を里から持ち出した。
 たとえ戦争に勝つためであっても、禁呪を用いてはならない。あなたは、クィスを追って、ウヴォワルド王国に向かった。



  プレイヤーA   人の名前すら噛みそうな気がしてきた。(一同笑)



PC4用ハンドアウト

ベースクラス:聖騎士(エッセンス:“癒し手ヒーラー”/“騎士ナイト”/“司祭プリースト”)

状況
 あなたは、聖騎士見習いとしてデュース家に預けられ、特訓の日々を過ごしていた。
 戦に出たデュース卿の代わりに、この家を守るのだと、張り切っていた、ある日。
 デュース家の子女・ラフィーナが、旅の途上で賊に襲われたのだ!
 今こそ、誓いの剣を抜く時だ。あなたは、敵陣に突っ込んでいった。



  プレイヤーB   これちょっと、ハンドアウトの時点でオツムが足りてないんですが、いいんですか(笑)。
  GM   基本的には、このベースクラスに、別のクラス・エッセンス1個を足して、自分だけのクラスを作るって感じ。
 ベースクラスに含まれているエッセンスを変更したい場合は、要・相談ね。
  プレイヤーA   PC2が『密偵やめます!』とか言い出すと問題だな(笑)。



 というわけで、ハンドアウトをそれぞれ選び、西進すること幾星霜……。
 キャラクターが完成したのでした。



  GM   では、PC1から順番に、キャラを紹介してもらいましょう。
  プレイヤーA   はい、名前は『ドレイク・クレイドル』。竜人の、20歳の男の子。
 古代竜に憧れを抱いていて、とにかく強くなりたいという一心で、ひたすらに修行に励んでいたら、ひとりぼっちでいる子に話しかけるのが大好きな魔神さまに捕まって――
  GM   なんだそれ(笑)。
  ドレイク   一通り話をしたら、
『よし、気に入った! おまえに力をやろう!』
 ってことで、“魔神憑きデモン・ライド”になりました。
  GM   どんな魔神だ!
  ドレイク   他の神々にあまりにも相手にされないので、堕ちて魔神になった(笑)。
 だから、ひとりでいるコを見かけると、どうしても話しかけずにはいられない(笑)。
  GM   名前と、司る概念を決めといてね。
  ドレイク   司るものって?
  GM   魔神が司る概念に応じた行動を取れば取るほど、その力を使いこなせるようになるという設定があってね。
  ドレイク   じゃあ、魔神の名前は『ボッチー』で、司る概念は“孤独”かな。(一同笑)
 なので、“竜人ドラゴニック”/“戦士ウォリアー”/“騎士ナイト”に“魔神憑きデモン・ライド”を加えて、クラスは《魔竜騎士デーモンライダー》です。
  一同   おお〜。
  ドレイク   基本的に、カウンター攻撃します。延々一人旅中。
  GM   では、次の人。
  プレイヤーB   はい、名前は『ヴェニヤミーン』。18歳の男です。
  プレイヤーC   『私の歓びの子供』だね。
  ヴェニー   ですね。
 クラスは、“機身サイボーグ”/“機兵マシン・フォース”/“密偵スカウト”に“拳闘者グラップラー”を加えた、《機動乱破フルメタル・ラッパー》。
 ガークライズ領域で生まれた孤児なんですが、幼少期からスカウトの訓練を受けさせられ、他の連中がどんどん改造されていくのを見ながら、『密偵なんだし、モロバレするような改造はだめだよなあ』と思い、改造を拒否。
 己の身ひとつでがんばることにしました。
  GM   基本的な肉体改造は受けてるはずだよね。
  ヴェニー   そうですね。でも武器は素手です(笑)。他、いろいろと小器用なことができます。
 そういった環境で、領域に友達もいないので、寡黙で寂しがり屋です。割と、人になつきたがるけど、分かり合えないと自分から離れていく。
  プレイヤーC   ぼっちばっかり(笑)。
  ヴェニー   でも、ハンドアウトでラフィーナさまというお友達ができたので、ちょっとうきうきしている(笑)。
  GM   了解。では、PC3。
  プレイヤーC   はい。名前は『エドワード・ギャシュリーキュラム』
 呪術師ってのは集落では尊敬される存在なんですけど、この人は癒し系の技術をいっさい身に着けてなくて、死とか不幸を予言するのを趣味でやっているので、頼りにされてはいるけど好かれていない。
 PCみたいな、クラス4つある人はなんていうんだっけ?
  GM   《フォースホルダー》ですね。
  エドワード   その《フォースホルダー》なんだけども、畏れられつつ、あまり頼りになりたくないなと思われている。
 で、今回、禁呪を盗まれたので、『ちょっと取り返してこいよ』と村を追い出されました。
 〔知性〕ランクが高いので、情報収集なんかが得意です。
 基本的には、この人もぼっちです。(一同笑)
  プレイヤーD   ぼっち、多いなぁ(笑)。
  エドワード   自分の予言どおりにことが進むのを喜んでいるので、
『あなたは死ぬ! ――死んだ! やったあ♪』
 という感じで。
  ヴェニー   うぜえ(笑)。
  エドワード   まあ、ちょっとヤな人ですね(笑)。
 クラスは“刻印者タトゥード”/“呪術師ウォーロック”/“狩人ハンター”に“知恵者セージ”を加えた、《ダウトフル・ゲスト》です。
  GM   はい、では最後、PC4。
  プレイヤーD   名前は、『ベア・クレイン』。没落貴族です。
『もうウチじゃ養えないから、どっか行って!』と追い出され、デュース家に厄介になってます。
 いちおう、貴族の務めとして、『弱いものを守るんだよ』と幼少のころから教えられていたので、何を間違えたか、攻撃スキルをいっさい持っていない。(一同爆笑)
  ドレイク   ホント何を間違えたんだ!(笑)
  ベア   で、その防御力を買われて、ラフィーナさまの護衛に回されている(笑)。
 クラスは、“癒し手ヒーラー”/“騎士ナイト”/“司祭プリースト”に“貴族アリストクラット”を足した、《インペリアルクロス》です。
  GM   では、このメンツでパーティを組んでもらいます。
  エドワード   大丈夫? パーティになれる?(一同笑)



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