ダブルクロス


“白銀領域”



Middle.01 『迫り来る白銀の脅威コールド・エンド


  GM   さて、みなさん的にはいろいろ知りたいことがあると思いますが、ミドル・フェイズの第1発目は、UGNと晴也が戦闘するシーンになります。
 ただ、実際には戦闘を行いません。イベント的に処理します。
  三雲   でも、晴也さんの戦法は教えてくれるんですね?
  GM   多少はね。とりあえず、シーン・プレイヤーは三雲。ほかのキャラの登場は任意。  
  三雲   はいはい。侵食率を上げるよ。(ころっ、とダイスを振る)
  命都   ここは、登場するかどうかは様子を見てから判断します。
  GM   白銀に閉ざされた白木町――
 晴也は、ゆっくりと純白の雪を踏みしめ、白い平原に足跡を刻みながら歩いている。
 向かう先は、UGN白木町支部。
 冷たく凍った瞳がとらえたのは、彼を迎え撃つため、ばらばらと散開して包囲網を展開するUGNエージェントたちの姿だ。
  ミカゲ   見ぃ〜つけたぞぉ〜、晴也ぁ〜ッ! と登場。小高い丘の上から叫びます。
  三雲   ガシャッ、と展開したパイルバンカーをそちらに向け――
『“白銀領域シルバーサイト
”、拘束する』と、無機質な声で言います。
  GM   その声に、晴也が君のほうを向いた。
 かつて見たのとまったく変わらないその双眸から、しかし、かつての面影はすっかり抜け落ちている――凍りついている。
  三雲   ぎしっ……と、僕自身の意識は泣き叫んで逃げ出したくなるんですが、それを許さない身体が、前に進み始める。
  GM   呼応するように、他のエージェントたちが攻撃を開始した。
 まずは《戦いの予感》で先手を取った“エンジェルハィロゥ”のオーヴァードたちが、《主の右腕》などのレーザーによる攻撃を照射するんだけど、その光は、晴也の眼前で、あらぬほうへ逸れていった。
  三雲   なんだって……?
  GM  『なんだこれは!?』
『領域だ! 領域内の熱量を操作して、屈折率を変えたんだッ』
  ミカゲ   なら、実体がある攻撃は防げないだろ!
 《焦熱の弾丸》を放つ!
  GM   了解。演出扱いなので、侵食率は計算しなくていいですよ。
 放たれた炎の弾丸は、晴也に届く直前で凍りつき、力を失って落ちていく。
  ミカゲ     そういえばそうサラマンダーだったッ!(一同笑)
 ケンカであいつに勝ったことなかったんだッ!
  GM   庭先でケンカとかしてたんですね、いつも(笑)。
 続いて、凍りついたビル街の頂上に陣取った“ノイマン”たちが、それぞれ狙撃銃を構えて、先鋭化した超高速演算からなる精密さで、三方向から晴也の脳天を狙撃する。
 ……という計画だったのだが。
『じゅ、銃が! 動かん! 凍りついてッ』
『引き金が引けんっ……』
 次の瞬間には、パァンっ、という破裂音とともに、それぞれの銃から膨張するように氷がはじけ飛び、彼らを打ち倒している。
  命都   やりたい放題だな、晴也さん……!
 遠隔攻撃がだめなら直接攻撃しかないだろう、という判断を疑似脳が下し、脚部のアクチュエータを起動して、突撃していきます。
  GM   君を初めとする、直接攻撃系のエージェントたちが、一斉に晴也へと殺到する。
 しかし、晴也の放った《ブリザードブレス》により、突撃陣は射程距離に到達する前に、瞬時にしてなぎ倒されている。
  命都   叫び声を上げたいんですが、疑似脳はそれこそがチャンスと判断。
 他のエージェントたちを身代わりにして、その陰から晴也さんに突撃します。
  GM   完璧に計算して放ったはずの一撃――
 ところが、不意に君の足元に、今までなかったはずの氷の塊があり、それに足を取られて転倒する。
 オルクス・シンドロームの《幸運の守護》――彼の因子、すなわちレネゲイドウィルスを埋め込まれた“領域”は、彼の望むとおりに姿を変える。
  三雲   くそっ……態勢を立て直し、一回バック!
  GM   下がった君に対して、晴也は一瞬、何か物言いたげな風情を感じさせた。
 だが、その瞳はすぐ、憎悪の光に取って代わられる。
  三雲   晴也さん、なんで何も言ってくれないんだろう……。怖くて仕方がない。
 とはいえ、僕のそういった疑問は疑似脳によって抑えつけられ、再度突撃する。
  GM   晴也はそれをじっと見つめている。
  三雲   やめろ、やめろよぉっ! と、僕は声を上げるんですが、身体は確かに一撃を放つ。
  GM   その瞬間、彼の身体から、今までにないレネゲイドの影響力がほとばしった。
 地面から伸びた氷の蔦が君の右腕を絡め捕り、完全にその勢いを封じる。
 かつて相手取ったときとは段違いの、絶対的な格差がそこにある。
  三雲   確かに、今までの晴也さん以上だ……!
  GM   そこへ《ブリザードブレス》が炸裂――動けない君を打ちすえる。
  三雲   咄嗟に右腕をパージして回避行動、ダメージを和らげます。
 なんだ、これ……!? こんな晴也さん、見たことない……!
  GM   晴也は、ただただ憎悪に浸された瞳を、その場の全員に向けている。
 様子がおかしいというのもあるが――これほどまでの力とは、誰も想定していなかった。「馬鹿な」といううめき声が、あちこちでささやかれている。
  三雲   まさか、あの戦いでオーヴァード化薬を飲んで、さらに強大なジャームになったって、そんなオチか?
  GM   晴也は、ふいっと君たちから視線をそらすと、UGN支部に向かって足を進めていく。
  三雲   くそぅ……。赤子が這いずる程度の速度で動きます。
 こんなときに、晴香さんがいてくれたら……!
  GM   這いずる君の眼前に、分厚い氷の壁が『ずどん!』と突き立った。
 まるでここから先へ行くなと言わんばかりに、二人の間を決定的に隔てる。
  三雲   なんなんだ……なんなんだよっ!
 氷の壁に拳を叩きつけます……!
  GM   では、晴也はそのまま歩き去っていく。
  ミカゲ   三雲の傍に近づくよ。
 あいつ……、なんか、おかしかったな。
  三雲   そんなこと、見ればわかりますよ……。
 でも、何がどうなっているのか……見ても、さっぱりわからないッ……!
  ミカゲ   ……訊くしかないな。
  三雲   晴香……晴香さぁん……! 涙を流しながら、壁をもう一度殴ります。
  GM   では、晴也はそのまま、霧氷の彼方に消えていった……というところで、シーンを切ります。
  ミカゲ   晴也にロイスを取っておこう。ポジティブは誠意、ネガティブは敵愾心。とりあえず誠意を表に出しておこうか。
  三雲   こっちはミカゲに取っておきます。ポジティブは憧憬、ネガティブは……(ころころ)厭気。うん、まあ、いいんじゃないですか。
  ミカゲ   どういうことですか?(一同笑)
  三雲   僕よりも、僕よりも晴香さんに近い場所にいやがって!(笑)
  ミカゲ   え? 近くに行けばよかったじゃん。
  三雲   ヌガァアアアーッ!(一同笑)


Middle.02 『見出すべき光を求めアイズ・オブ・ミラー

  GM   次のシーンですが、特に「こんなシーンがやりたい!」という希望がなければ、情報収集シーンに行きます。
  一同   はーい。
  GM   このシーンは、PCが知りたい項目を調査することが可能なパートです。では、何か1つ項目を決めてくれ。
  三雲   じゃあ「晴香さん」。
  GM   わかんないよ!(笑)
 「晴香さんの死因」とか、もっと具体的に!(笑)
  命都   さーて、どんなことについて調べようかな。
 少なくとも、こんな広範囲に《ワーディング》を張るのは尋常じゃない、ということで、「晴也さんの現在の状態」について調べてみますか。
  GM   では、〈情報:UGN〉技能で調査ができます。
  命都   「コネ:UGN幹部」のアイテムがあるので、ダイスを足して判定できます。
 (ころころ、ダイスを振って)登場して侵食率を上げてから、えーと、達成値は10ですね。



 TRPGは、基本的に「●●します」という宣言によって進行していきます。
 しかし、宣言したはいいものの、成功するかどうかわからない、という局面もたびたび発生します。
 そんな状況を処理するのが「行為判定」です。

 『DX3』では、10面体ダイスを使用します。
 「判定」に使う〔能力値〕の数だけダイスを振って、出た目の中で最も高いものを「達成値」――どれだけうまく成功したか、という指標にします。
 このとき、「クリティカル値(通常は10)」以上の目があった場合、クリティカルしたダイスをさらにもう一度振って、その中で最も高い値に「10」を足した数値を、達成値とすることができます。そこでまたクリティカルが出たら、もう一度ダイスを振って、今度は「20(クリティカルした回数×10)」を足して……という風に、クリティカルが出れば出るほど、達成値が伸びていきます。
 なお、〈情報:UGN〉などの「技能」を使える場合は、その技能のLV分、達成値を増やすことができます。

 戦闘などでは、いかにしてクリティカル値を下げて、連続クリティカルを叩き出すかが勝負になってきます。



  GM   では、UGNに潜んでいるファルスハーツのエージェントが情報をくれました。
  ミカゲ   それホントに「コネ:UGN」?(一同笑)
  命都   「大丈夫? UGNの支部だよ?」(一同爆笑)
  GM   UGN支部のどこか片隅で、副支部長レベルのおっさんが。
  命都   侵入されすぎとる。他人事ながら心配だな、この支部(笑)。
  GM   まあ、そんなおっさんがいると思ってください。
『西澤晴也の能力について……? なるほど、仇討ちかね』
  命都   それには黙して語らずという感じですが、そこはもう『I just do it!』な雰囲気です。
  GM  『潜入工作員が目立つのは危険だが、この場合は致し方あるまい。我々としても、あれを止めねば話にならんのだからな。
 君の兄さんは、組織のために勇敢に戦い、死んでいったと聞く。その仇を討つのは、君の兄さんの遺志にかなうこととなるだろう』
  三雲   アジデート入った。
  GM  『君の兄が守ろうとした組織だ。それを君が守る。美しいことじゃないか』
  命都   気持ち悪い、この人(笑)。
  三雲   って言うの?
  命都   言わないよ!(笑)
  GM   というわけで、現在の晴也の状態について、ゲーム的な情報をあげます。
 現在、彼はゲキストラ状態です。
  一同   ……は?
  GM   えー、「ゲキストラ」というのは……
  命都   ……「激しいエキストラ」ですか?
  GM   激しいエキストラです。
  ミカゲ   やっぱりか!(笑)
  GM   エキストラは、主に一般人などのデータを持たないキャラを表すもので、たとえば一般人を「気絶させます」と言うだけで気絶させてもいいとか、そんな風に簡単に処理するためのルールなんだけど。
 ゲキストラの場合は、PCが行ってくる攻撃やエフェクトの効果を、すべて演出で退けます。
  ミカゲ   最悪です!(笑)
  三雲   え? 普通にこっちが命中判定とかしたら?
  GM   すべて演出で退けます。
  三雲   ナニ言ってんのこの人!?(一同笑)
 おい、誰かこのGMをエキストラにしろ!(笑)
  命都   がんばってシリアスな雰囲気を作ろうと頑張っているプレイヤーたちの前に立ちふさがる、「ゲキストラ」という単語……(笑)。
  GM   いい言葉がなかったんですぅー!
 それにまあ、あくまでもこれはゲーム用語であって、キャラクターがそう呼んでいるわけではないです。一応。
 で、このゲキストラ状態になっている理由というのがあります。
 まず、ジャーム化しているということ。
 基本、ジャーム化すると理性のタガを吹っ飛ばして、レネゲイド能力が肥大化するんだけど、その上さらに、晴也の「衝動」は「憎悪」なんですね。
  一同   ほう。
  GM   もともと――普段そんな素振りは見せていないんだけど、その「衝動」のおかげで、結構アレな過去がありまして。
 いつもは「憎悪」を抑えてエフェクトを発動していたんだけど、それを全面解禁状態にした今、もうとんでもないことになっているわけです。
 というわけで、彼は現在「バッドステータス:憎悪」を受けてます。憎悪の対象に攻撃せずにはいられないという奴ね。
 本来、[憎悪]の対象に攻撃するか、攻撃対象がいない状態になると、自動的にこれは解除されるんだけど……
 現在の彼は、[憎悪:レネゲイド]を持っており、対象に攻撃を加えようが、攻撃対象がいなかろうが、このバッドステータスが自動的に解除されないという状態です。
 そして、彼の[憎悪]が解除されない限り、彼はゲキストラ状態のままです。
  命都   そして、我々PCがバッドステータスを解除しようとすると、演出で退けられる、と。
  三雲   無理ゲー(笑)。
  GM   さらに、彼の《ワーディング》が、白木町全体に張られています。
 その影響で、一般人が無力化されるわけですが、今回は、「一般人がみんな氷漬けになる」という無力化のされ方をしています。
  三雲   ヒドい(笑)。
  GM   さらにいくつかのエフェクトが効果を発揮しています。
 まず、エネミーだけが使えるブラックドッグのエフェクト、《通信支配》。
 この街では、有線無線を問わず、現在、あらゆる電波的通信が阻害されています。
  三雲   『“J”終了』って書いてありますね(笑)。
  GM   そのため、白木町では、すべてのパソコンやら電話機やらがスタンドアロン状態です。まあ、マウスやキーボードみたいな非常に近い周辺機器ならまだなんとかなるんだけど、ちょっとでも離れるともうダメ。
 なので、白木町内では電話もメールも通じないし、白木町内外の通信も遮断されている。
 なお、このエフェクトの説明によると、使い手が許可した通信手段のみ使用できるそうです。
  三雲   今回は、何が許可されているんですか?
  GM   何も許可してません。
  三雲   このGM。
  GM   あと、もう1つ、サラマンダーのエネミーエフェクト《天候操作》が使われております。
 それによって、白木町は現在、超・豪雪状態。
 レネゲイドの因子を埋め込まれた豪雪が降ってきており、また、町の周囲を氷の城壁がふさいでいるので、白木町内外の物理的なやりとりが遮断されています。
 これを打ち破るには、今の晴也以上のパワーを持ったレネゲイド能力が必要になってきますね。
 ヘリなどで上空から侵入しようとしても、豪雪に阻まれます。
 ……という、白木町が完全に孤立した状態で、晴也はUGN支部に向かっている。
  三雲   つまるところ……どうすればいいんだ?
  ミカゲ   白旗を探す。
  命都   とりあえず、他の人も情報を収集したらいいんじゃないかな(笑)。
  三雲   それだー(笑)。
  ミカゲ   次は俺。ちらっと見えた晴香について調べます。
  GM   「晴香の現状について」であれば、〈情報:UGN〉か……、他になにかあります?
  ミカゲ   「コネ:裏社会」あるよ。
  GM   あ、〈情報:裏社会〉いけます。
  三雲   え、「裏社会」いけるんだ。
  GM   ええ、ちょっとした事情で。
  ミカゲ   (ころころ)達成値は8。
  GM   では、晴香の状態について。
 オーヴァード化薬売りさばき事件のアジトに突撃してジャームと交戦、相討ち状態で死にました。遺体はUGNに回収されています。
  ミカゲ   そんな馬鹿な。さっき見かけたのに。
  GM   なお、晴也の遺体も完全に粉砕され、微塵と化していたと思われていましたが、これはのちにジャームとして復活したことがわかっています。
 ただ、晴香の死亡が確認された割に、ミカゲは確かに彼女の《声なき声》を……レネゲイドウィルスの波動を感じ取っている。
  ミカゲ   ふむ。
  GM   なお、「裏社会」でこの情報が出てきたのは、……なんで裏社会にコネがあるんだろう、この庭石は(笑)。
  ミカゲ   “J”つながりか、あるいは、初期ロイスに“ネームレス”がいるからかな。
  GM   なるほど、ネームレスか。じゃあ、今回の情報は彼がもたらしてくれたことにしましょう。
『これらの情報は、ファルスハーツが噛んでいたオーヴァード化薬事件に関わっていたので、私のほうでも感知していたんですよ』
 と、UGN支部の庭石の前に現れた犬が語る。
 彼は、オルクス・シンドロームのエフェクト《アニマルテイマー》によって、自らの“因子”を埋め込んだ動物をあちこちに放ち、情報収集を行う名うての情報屋なので、現在の白木町にも動物の口を借りて登場できています。
  ミカゲ   さすがー。犬さんは、なかなか詳しいことを突いている。
  GM  『あれで、この町のファルスハーツは大きな打撃を受けたでしょう。多数のエージェントが参加していたそうですしね。
 なお、売人が一人、脱出したようです』
  三雲   そういえばそうだった。
  ミカゲ   じゃあ、この話については、三雲にもゴニョゴニョしておこうか。
  三雲   え、なんですかその晴香さんがいたって。どういうことですか。
  ミカゲ   うむ。晴香は死んだ。犬さんが言うからには確実だ。これホント。でも晴香は生きている。俺、見たもん。そういうわけだ。
  三雲   どっち!?(一同笑)
  ミカゲ   100%死んでる。でも絶対生きてるよ。
  GM   宇宙語って難しい(笑)。
  三雲   最後はここが、逃がした売人についての情報収集をします。
 〈情報:UGN〉と「コネ:UGN」で行けます?
  GM   大丈夫です。
  三雲   じゃあ行きます。(ころころ)……14!
  GM   お、それは高い。というか、もうそれ売人を捕まえてるんじゃないかな。
 他の人に依存がなければ、ここで売人を捕まえた扱いにしちゃうけど、いい?
  命都   別にいいですよ。
  GM   では、氷に閉ざされた町の、白く染まった路地裏で、三雲はあのとき逃がした売人の男を捕らえました。
『や、やめろ! 放してくれ!』
  三雲   新しく装着した義腕で喉元を抑えつけながら。
 この町で、何をしようとしていた。ファルスハーツで開発した薬を流すのが、そんなに楽しいのか。
  GM  『いや、ウチはまっとうなファルスハーツだから、まっとうなファルスハーツとして、堅実な「オーヴァード化薬の開発と売買」を手掛けてたワケよ』
  三雲   まっとうってなんだ。
 でも、僕たちを足止めしたエージェントは、オーヴァード化薬でずいぶん強力になってた。あれはどういうことなんだ。
  GM  『あれは、ちょっと特別でな。ファルスハーツに、あの薬を提供してくれたやつがいるんだ』
  三雲   うさんくさッ。
  GM  『まあ、うさんくさい奴だった。
 決して姿を見せず、基本的にはメールだけでやりとりする。
 相手が指定した場所に行ってみると、そいつの精製した薬が置いてあるって寸法さ。
 どういうつもりだか、特に報酬や見返りも求めてこなかった。
 まあウチは、そいつの薬を使って実験と商売をしていたわけさ。
 特徴としては、一般人が飲むと、死ぬかオーヴァード化するかっていうところなんだが、オーヴァードが飲むと、高い確率でジャーム化し、潜在能力を引き出される。
 まあ、たとえば、ガタイはいいのにイマイチ使えないエージェントも、いい駒になるってことよ』
  三雲   あのときのジャームもそうだったのか……
  GM   そうだね、君の脳裏には、踏み込まれてあたふたしていたあの青年の姿が思い出される。
  三雲   その薬で、尋常じゃないパワーを発揮したりは?
  GM  『それはあれか? 今、この町を《ワーディング》してるやつの話か?
 まあ、基本的にはジャーム化した時点で相当にレネゲイド能力が高まってるし、混戦状態であの薬を浴びたってんなら、さらに潜在能力を引き出されていても、おかしかねえやな』
  三雲   対処法とか、解毒用のアンプルとかは?
  GM  『そんなもんはねえよ。一度ジャームになった奴が、もう戻るわけはねえ』
  三雲   じゃあ、そいつは支部に放り込んでおこう。
  GM   ……と、いうところで情報収集は終了かな。
 次のシーンはちょっとしたイベントが発生します。



 次回へ続く