村超SPIRITS!
贖罪の3村長




Preplay  村超SPIRITS




 さて。
 このリプレイは、「村超スピリッツ!」の骨格ができたばかりの頃、友人と行ったテストプレイを録音・編集したものです。

 バランス調整どころか、とりあえずサンプル・キャラクターのデータと必要そうなルールだけを作っただけの、コンピュータRPGで例えるなら「体験版」レベルの状態。いちおう録音したとはいえ、本来、書き起こすつもりはなかったのですが――

 PCどもがあまりにもあまりな連中だったもので、思わず書いちゃったんですねー。



  GM   では、『村超SPIRITS!』のテストプレイを始めるよ。サンプルキャラは行き渡ったな? まずは世界観説明だ。
  一同   へーい。



 ――世界は、村で出来ている。


 村の集合体、それこそがこの世界であった。
 それぞれの村は、高い『村超力』――すなわち世界を繁栄させる力――を持った、
『村長』たちによって、統治されていた。


 そんなあるとき、世界に戦乱が起こった。
 よその村を合併し、村に備わっている『村超力』を奪い取ることで、自分の村の『村おこし』を図った村長たちと、それに対抗せんとした村長たちの激突のためだ。


 村長たちは、激しい戦いを繰り広げた。
 ――山は裂け、大地は割れ、木々は焼け、花々は枯れた――


 やがて――村長たちは、気づいた。我田引水を試みた自分たちの争いのせいで、世界が荒廃してしまったことに。
 それだけではない。戦いあう村長たちの負の念は、『裏村超力』と化して、世界にあふれ始めたのだ。
 この力は、どんな人間にも高い『村超力』を与えるが――振るうたび、世界の荒廃が進んでいくというものだった。


 村長たちは自らの行いを悔やんだ。そして、争うことをやめ、世界を荒廃から救うべく、『村長連合』を発足。
 これから村長になろうとする若者や、村長としての立場を次代に譲った老人を集め、班を組ませて旅をさせることにしたのだ。
 旅の最中に出会う村々と交流し、『裏村超力』の気配あらばこれを浄化する崇高な使命を与えて――。


 ――これは、村長たちの贖罪の物語である。



  GM   というわけだ。村長を作って、いろんな風習のためにいろんな事件が起こっている村に赴いて、事件を解決し、もし裏村超力が関わっていれば殴り合って浄化するという……。
 わかりやすく言うと、『キノの旅』×『機動武闘伝Gガンダム』。
  プレイヤーB   な、なるほど(笑)。
  プレイヤーC   アホくせえ(笑)。
  GM   おうよ(笑)。で、君たちのキャラは、さっき説明したように、パーティを組んで旅をしている村長なわけだ。
 というわけで、キャラクター紹介をしてもらおう。
プレイヤーA   了解。名前は「シュバルツ」。出身は、「ホイホイ村」。(一同爆笑)
 特産物は《忍者》と《機工》です。



 このゲームのキャラクター、すなわち村長たちは、出身となる村の「特産物」を2つ選ぶことで表現されます。
 シュバルツの場合なら、スパイや斥侯を養成する《忍者》と、身体に機械を埋め込みサイボーグ化する《機工》(註:現在のルールでは《サイバー》)の2種類です。

 これにより、シュバルツは、闇の中を素早く移動する黒いサイボーグというキャラクター性を獲得し……



  GM   ……って、ゴキブリじゃねえか!(一同爆笑)
  シュバルツ   この頃、交流不足でね。どこの村も交流してくれなくて、困っているんだ。(一同爆笑)
 なので、こうして旅に出て、村の知名度を上げようと。この骨格のすばらしさを……!
  プレイヤーC   たぶん音がイヤすぎる(笑)。仲間にするのをためらうよね。
  シュバルツ   ためらうなよ。仲間にしろよ(笑)。
  GM   ていうか、事前に決めた限りじゃ、このパーティのリーダーってシュバルツじゃん。
  プレイヤーC   なんでこいつについていくことになったんだろう(笑)。
  GM   《村長連合》直々にリーダーが指名されたんだよ。
『じゃ、君リーダーな』
  シュバルツ   お、俺でいいんですか?
  GM  『うむ。君のその機動性強靭な生命力こそ、リーダーにふさわしい』(一同笑)
  シュバルツ   やった〜あ(笑)。
  GM   と、そんな感じ(笑)。では次の人。
  プレイヤーB   よし、爺さんキャラにしよう。
 わしの名前は「キテー」。出身は「KOROSUKE村」じゃ。(一同爆笑)
  GM   どんな村だよ!?(爆笑)
  キテー   特産物が《宗教》と《精霊》なので、「精霊KOROSUKE」教を広めるべく旅立ったのじゃが……、
 怪しんで、誰も入ってくれない。(一同爆笑)
  プレイヤーC   なんだこのパーティ!!(一同爆笑)
  GM   怪しいやつしかいないんですけど!(笑)
 ていうか、ネタがすでにスレスレなんですけど!(笑)
  キテー   誰もKOROSUKEを信じてくれないので、わしがそのすばらしさを知らしめるのだ(笑)。
 というわけで、みんな、KOROSUKE教に入ってね(笑)。
  GM   ははは(笑)。では、最後。
  プレイヤーC   はーい。「オンジ村」出身の「キャス・バル」だ。(一同爆笑)
 キャスと呼んでくれ。
  GM   ネタキャラしかいねえのかよ!?(爆笑)
  キャス   特産物は、《農業》と《宇宙》!
 名産品は、土木工業用ロボット《ザックザク》!!(一同爆笑)
  GM   それは掘れそうだ! 埋蔵金とか掘れそうだ!(笑)
  キャス   これを世界に広めて売るために旅をしている(笑)。
  GM   特産物が《宇宙》だから、宇宙に浮かんでる村から来たんだよな。今回、《ザックザク》は持ってきてるの?(笑)
  キャス   いや、《ザックザク》は修理中。ちょっとね、「木馬」村の「アム・ロ」にやられたんだ。(一同笑)
 アムめ、あいつ、着々と力をつけてやがる!(笑)



 ちなみに、「木馬村」は後にマジでルールブックに登場します。
 ただし、《発掘》と《研究》の村長、シュリ()の出身地として。

 我々の母校、中1で強制的に『古代への情熱』を読まざるを得なかったもので。



  キテー   あの白いヤツに(笑)。
  GM   では、今回の村長はそんな3人で……、いいのかあ!?(一同笑)




OPENING. 『天変地異』

  GM   では、セッションを始めよう。今回はテストなんで、シナリオの中身は非常にシンプルで行くぞ。
 さて、旅を続けていた君たち。そろそろ次の村が見えてきたぞ。山間にある、素朴な感じの村だね。君たちほど変な村ではなさそうだ。
  一同   変な村って言うな!(笑)
  GM   ところが。ゴロゴロと雷雲が集まり始め、すぐに雷鳴が轟きだしたかと思うと、凄まじい強風が吹きつけてきて、ざあざあと激しい雨が降ってきて、ゴゴゴゴと大地も揺れ始める。
  キャス   地震まで!?
  シュバルツ   うう、雨に濡れると私の装甲がッ……脂が落ちるッ……!!(一同笑)
 早く、村に辿り着かなければ!
  キテー   この老体に、雨はキツいわい。
  GM   そうして村に急ぐと、さすがに誰も外には出ていません。
  キテー   すぐに宿を探さねば。
  GM   宿はなさそうだけど、ひときわ大きな屋敷があるよ。
 おそらくは村長の家だな。
  シュバルツ   よし、村長のよしみで泊めてもらおう。
  GM   では、村長の家のドアを叩くと。
  シュバルツ   どんどんどんどん。……がちゃがちゃがちゃがちゃ。(一同笑)
  GM   いきなり激しくドアノブ回してんじゃねえよ!(笑)
『……ど、どなたですかな?』
  シュバルツ   すいません、我々は、旅の村長なのですが……(一同爆笑)
  キャス   おかしい! 名乗り方がおかしい!(笑)
  シュバルツ   できれば、一晩、泊めていただきたいのです!
  GM  『おお、わかりました! いま開けましょう』
 ということで家の中に通され、毛皮のタオルを渡される。
  シュバルツ   ありがとうございます。タオルで身体を拭くと、装甲の上からシューッと脂が噴いてきて装甲をコーティングする(笑)。
  GM  『大変ですなあ、みなさんも。こんなときに、この村を通りがかられるなど』
  シュバルツ   いったい、何があったんですか? この天候は。
  GM  『それが、わしらにもサッパリなのです。いま、この村《バードヘルム》では、「猛者コンテスト」が行われておるのですが――』
  キャス   猛者コン!?(笑)
  シュバルツ   ムサコン?(一同爆笑)
  GM  『――「猛者コンテスト」が行われておるのですが、この天変地異ですからなあ』
  シュバルツ   なるほど、それは大変ですな。
  GM   と、ここでみんな。能力値のひとつ、〔心〕を使って、〔知覚〕判定を行ってくれ。〔心〕のランクの数だけ6面体ダイスを振って、出た目を合計した値が「判定値」だ。
  一同   (ころころ)
  キテー   お、22。
  GM   10を超えた人にはわかる。
  キテー   わかる、わしにはわかるぞ……!(笑)
  GM   この天変地異は、明らかに異常だ。何らかの特殊な要因が関わっているに違いない。
  キテー   ふむ。というわけで、普通のものではないぞ、みんなッ!
  シュバルツ   なるほど。まさか、これは……、「裏村超力」――。
  GM   君がつぶやいた瞬間、鋭い雷が『ピカッ!』と閃き、遅れて『ゴロゴロ……』と雷鳴が轟いた。
 では、序幕はここまでにして、本編に進もう。


 続く。