14th SETTLEMENT.

『蒼刃一条、暗雲裂罅を刻み割く』




Preplay.


  GM   では、ワイルドアームズ14回目を始めます。
  ジェイン   良かったね、誰も欠員がなくて(笑)。
  ライム   絶対誰か死ぬと思ったんだけどね。フィルさんとか(笑)。
  GM   前回のお話を覚えている人?
  フィル   ロアヴァ―ジュが死んだ。
  ブリゲッラ   宇宙人の侵略からファルガイアを救った。(一同爆笑)
  GM   間違っちゃいないが!(笑)



 『アリアンロッドでワイルドアームズ』、14回目ッ!


 星の守護獣、ガーディアンの加護を受けたジェイン一行は、星を蝕む災厄獣、ディザスターを討つ旅に出ています。
 どうやら、《ハーフ・ウィングス》を名乗り、全種族の融和を掲げる組織が、ガーディアンからディザスターを産み出している模様。
 すべてのガーディアンがディザスターに変われば、世界は破滅を免れません。《ハーフ・ウィングス》は、魔族の機械技術で星を維持するつもりのようですが……
 旅を続けるうちに、一行は、《ハンター・ヴァンガード》という、亜人狩りの集団と激突します。
 彼らは、<聖>のガーディアンのフリをした<魔>のディザスターの加護を受け、あらゆる異種族を根絶しようとしていました。
 拠点たる砂上戦艦ガラ・デ・レオンに乗り込み、首魁クラリスを説得せんとする一行。
 しかし、そこで現れた《ハーフ・ウィングス》の手先が、クラリスを射殺。
 それは、なぜか、一行のリーダーであるジェイン・ジャックそっくりの顔をした謎の男――
 疑念を抱えつつも、一行は、クラリスの死によって暴走したディザスターを破壊するため、結界内でガーディアンの力を撃ち込みました。
 結果、ガーディアンは一時の眠りに就き、一行はどこへともなく飛ばされ――
 気がつけば、吸血種族ノーブルレッドの住まう島へと辿り着いていたのでした。

 その後、一行は、人間以外が住む土地を転々とします。
 クラリスを失った《ハンター・ヴァンガード》の、異種族への特攻を防がねばならなかったからです。
 戦いのさなか、ディザスターとは、ガーディアンが守るべき人間に殺されることで発生する存在であること、魔族がディザスターを利用しようとしていたことなどが明らかになりました。
 そして、もともと、別の目的を持っていたブリゲッラとフィルは、それぞれノーブルレッドと魔族の命令を無視し、己の判断で、《ハーフ・ウィングス》の企みを阻止する決意を固めました。
 《ハンター・ヴァンガード》は解散し、魔族・ノーブルレッドは手出しを控えるようになり――ついに、地水火風以外のガーディアンが消滅し。
 狂い咲くレイラインを巡って、一行は、《ハーフ・ウィングス》との真正面からの激突に、ようやく、挑むことになったのでした。

 旅の始まりの地、ジョリー・ロジャーに戻った一行は、ARMが暴走していることを知り、ジェインが拾われた場所へ向かいます。
 そこでレイラインを操作していた男、ジェインと同じ顔を持つジャンは、自分たちが精神感応素材、ARMであることを明かします。
 《ハーフ・ウィングス》の目的は、あらゆる種族の精神をダウンロードし、新たな肉体にインストールすることで、種族の垣根を物理的に排除するというもの。
 ジャンを倒し、ジェインは彼らの素体となった女性、カラミティ・ジェーンの弟であったことを知ったのもつかの間、もたらされたのは巨大な2つの塔の出現。

 全種族の精神のダウンロードとインストールを行うために再建された古代の遺産、《トライ・ユグドラシル》――
 一行は、まず東に赴き、シェリルとクレアを撃破して、塔を破壊します。
 続いて西に赴き、ロアヴァ―ジュを撃破して、こちらの塔も破壊します。
 しかし、ふたつの塔を破壊しても、世界の変調は止まらない……。



  GM   おかしいですネー。不思議ですネー。
  ライム   いや、こっち、誰も謎だとは思ってないから(笑)。



Master Scene.  『過去こそ己の生まれと知れば』



 カ・ディンギル地下研究室。
 そろいの服を着させられたニンゲンたちが、身を寄せ合うようにして過ごす部屋の中。
 そこに、少年が来ていた。
「人間は、そうやって子を生むのか……」
 感慨深げな視線の先には、1人の女性。
 膨れた腹を優しく撫でる、たおやかな母親が、少年に向かって優しく微笑む。
「そうよ、ゼルク。人間は、お腹を痛めて、赤ちゃんを産むの」
 少年がかぶりを振る。
「魔族は違う。生体因子に遺伝コードを撃ち込んで、シリンダーの中で肉体の完成を待つ。だからだろうか……他人の痛みが分からないのは」
 その言葉に、彼女は薄く笑った。
「あなたは分かっているのでしょう」
「そうでありたいつもりだ……」
 答えて、少年は、傍らに近寄ってきていた少女の頭を軽く撫でる。
「だからこそ――変えなければ。
 互いの痛みを、知らしめなければ……」
 それは、部屋に設置された集音マイクですら聞き取れぬ、かすかなつぶやきだった。



  ライム   真面目なマスターシーンなのに、『心の痛みを知らぬ者め!』というセリフしか思いつかなかった(笑)。



Opening.  『未知なる闇に、穿て風穴』


  GM   さて、例によってロンバルディアを駆っている君たちだが、塔を2本倒したにも関わらず、レイラインの不調は収まる気配がない。
  ジェイン   これは思うんだが、3本目の《トライ・ユグドラシル》があるんじゃないか?(笑)
  ブリゲッラ   奇遇ですね、私も同じことを考えてました(笑)。
  ジェイン   この地図からちょっと、怪しい場所を割り出してみようぜ。
  フィル   (大陸北部を指差して)絶対ここだろ。(一同爆笑)
  ライム   反対側かもしれないけどね(笑)。
  ジェイン   まあ、とりあえず行ってみようぜ。
  GM   では、ぎゅいーんと飛びました。
『お? 下に街がぽこぽこあるな』
 みんなで【知力】判定だ。
  一同   (ころころ)
  GM   15を越えたのはブリゲッラだけか。
 ここはスレイハイム工業都市連合。様々な工業を担う都市国家群が、いくつもギルドを組んでいる場所だ。
  フィル   じゃあ、近くの森の中に着地して、何事もなかったかのように歩いていく。
  GM   では、中心となる工業都市スレイハイムに到着だ。
 むせかえるような火と鉄の匂いが喉をこする、石畳の街です。
  フィル   なんという工業廃棄物。
  ブリゲッラ  (壁をこすった指を舐めて)『ぺろっ。む、これは放射能』(一同笑)
  GM   あちこちの煙突から煙が立ち上り、鉄を叩く音が各所から響いている。
  ブリゲッラ   ふむう、ここの蒸気機関はゼンマイ仕掛けに変えた方がいいですね。
  GM   さらにここは港湾都市なので、港からひっきりなしに荷物が運ばれてくる。
 人々は忙しそうに両手に様々な機械を抱えていたり、煙突のような砲台を背負っていたり……
  一同   《リニアレールキャノンの》レイ!?(笑)
  GM  『む、なんだ、おまえたちか。この俺、《リニアレールキャノンの》レイに再び会うとは、なんと運がいい』
  ブリゲッラ   このまえ戦闘に参加したりとかして、死にフラグを立ててましたね(笑)。
  GM  『案ずるな、俺は生まれた時から死にフラグにさらされてきた男だ。
 なにせ、この街の評議員の息子だからな』
  一同   なにぃーっ!?(笑)
  ライム   意外と大物だった(笑)。
  ジェイン   てことは、評議員に会わせてもらうこともできるのか。
  フィル   この近くに、レイラインの流れをおかしくしている塔がないかどうか知りたいので、ちょっと口利きをお願いしたいんですが……。
  GM  『このあたりでは見たことないな』
  ライム   上じゃなくて下に伸びてるとか。海底にあるとか。
  GM  『それはあるかもしれんな。
 俺がこの街に戻ってきたのは、最近、“入ろうとすると磁場が狂って入れなくなる”、侵入不可能な海域が近くに出現したと聞いたからなんだ』
  ジェイン   それだな。
  フィル   おそらく海底によくわからない塔が建ったせいで、あたりの磁場が狂ってるんでしょう。
  GM  『いま、評議会ではその話題でもちきりだ。中央の議事堂で今も会議が続いている』
  フィル   ロア、海底には行けますか?
  GM  『行けんことはないが、侵入不可能というのが気になるな』
  ジェイン   磁場が狂ってる……、レイラインのせいか?
  GM  『そういえば、レイラインのせいだという仮説を立てている議員がいたな』とレイ。
『確か、エミリー・プレストンと言ったか』
  ライム   その人に会ってみたいね。レイラインのせいなら、こっちでなんとかできるし。
  ジェイン   そうだな。レイに口利きしてもらって、ちょっと会ってみようか。
  ブリゲッラ   どんな方なんですか?
  GM  『評議員というより、根っからの研究者だな。
 いろんな機械を発明しているんだが、それがまあちょっと、オリジナリティが溢れすぎているというか……。
 今も議事堂で、自分の発明なら海域に侵入できるとぶち上げているはずだ』
  フィル   それは話を聞いてみたいですね。議事堂に行ってみますか。
  ブリゲッラ   で、アイデアをパクッて我々が作るんですね。
  ライム    何を言ってるんですか、作ったところを強奪するんですよ。
  ブリゲッラ   すいません、そっちの方が楽でした。(一同笑)
  ジェイン   じゃあレイ、よかったらその人に合わせてくれないか?
  GM  『ああ、いいぜ』
 レイが先導して案内してくれる。
『ちなみに、俺の名前はレイ・エヴァンスだ』
  フィル   ついにフルネームが。モブじゃなかった(笑)。
  GM   そんなこんなで議事堂に行くと。
 だだっ広い大会議室に数名の評議員が集まっているんだけど、
 眼鏡を鋭く閃かせる金髪の美女が、何やら大声でまくし立てている。
『いいッ加減に認めなさいッ!
 あれはレイバリアッ! レイラインを利用した障壁なのよッ!』
  ライム   アースガルズのアレみたいなもんか。
  GM   あれは対消滅バリアだから、またちょっと違うけどね。
『で、どうするのかね、プレストン議員?』
『あれを破るにはッ、我がプレストン家が開発した時空パイルバンカー、超音爆兵器《ガングニール》を使うしかないのよッ!』
  ライム   ガングニール出たーっ!(笑)
  GM  『(穏やかな口調で)時空パイルバンカーか、それはたいそうなもんだねぇ』
  ブリゲッラ   ぜんぜん相手にされてない(笑)。
  ライム   すごい生暖かいコメントが(笑)。
  GM  『だがあれは、音波増幅装置が未完成じゃないのかい?』
『ええ、そうよッ! だから、評議会の全予算を回しなさいッ!』
『却下』『却下』『却下』『却下』(一同笑)
  ライム   全予算って言われたら、そりゃ却下するわ(笑)。
  フィル   じゃあ、『スポンサーになるぞー』と言いながら扉を開ける(笑)。
  GM  『なんですってッ!?』
 振り向いてパイルバンカーを構えるエミリー。
『あなたたちはいったい何者ッ!?』
  ジェイン   ちょ、ちょっと待て姉ちゃん、それはなんか好戦的すぎるんじゃないか?(笑)
  GM  『これはただのアクセサリよ』(一同笑)
  ジェイン   あんたの研究に興味があるんだ。ちょっと話を聞かせてくれないか?
  GM   言ったことはさっきの内容で終わってるんだけどね。
『私の研究では、あの海域はレイラインによるレイバリアで覆われているわ。
 入ろうとすると、体内のレイラインに干渉され、ぜんぜん違う方向を目指してしまうの。
 それを破るには、レイバリアそのものを、時空パイルバンカーによって破壊するしかないのよッ!』
  フィル   なるほど。それで完成させるためには、あと何が必要で?
  GM  『音波振動によってレイバリアに干渉、破壊するシステムなんだけど……。
 音波を増幅する装置がないから、1から作らなきゃいけないのよ。
 まあ、ざっと5億ギャラを費やして3年くらいがんばればできるんじゃないかしら』
  ジェイン   待ってらんねえな(笑)。
  ライム   音波増幅ってことは……《マイマイク》ならどう?
  ブリゲッラ   なるほど。そうですね、ちょっと試してみましょうか。どのくらい増幅できればいいんですか?
  GM  『そうねえ。この機械から出してる音を、5万オンパくらいまで増幅できれば理想的ね』
『プレストン議員、その単位はなにかね』
『私が考えた単位です』
  ブリゲッラ   では、ちょっと外に出て最大出力で。
 ちょっとその音、『ピーッ』ってやってもらっていいですか?
  GM   ぴー。
  ブリゲッラ   《マイマイク》。
  GM   ドォオオ……ン。(一同爆笑)
『ば、馬鹿な、これほどのッ……! 6万オンパですってッ!?』
  ライム   音波と言えばやはりノーブルレッドですよね(笑)。
  GM   エミリーは目を輝かせて、ずずいっとブリゲッラに詰め寄ってきます。
『なに? ねえなにこれ? なんなのなになにどんななの?』
  ブリゲッラ   ノーブルレッドのカラオケ技術の結晶です。(一同笑)
  GM  『なるほど素晴らしい! ちょっと来てちょうだい、これで《ガングニール》が完成するかもしれないわ!』
  ブリゲッラ   わかりました。これで、ノーブルレッドの文化であるカラオケが広まるのであればッ!(笑)
  GM   そのまま君たちは、エミリーの家まで連れて行かれます。
『こっちこっち! こっちだってば! ちょっと邪魔よそこの通行人ッ!』
 と、パイルバンカーで人々を追い散らしながら。
  ジェイン   殺傷事件になりかねん(笑)。
  GM  『大丈夫よ、パイルバンカーなんて、ボタン押さなきゃただの鈍器なんだから!』
 そんなこんなで豪奢なるプレストン家の館に案内されるんだけど、あちこちに鉄くずが転がっているので、鉄くずにまみれたソファに座らされる。
  フィル   鉄とオイルの匂いしかしないソファか……(笑)。
  GM   そうしていると、応接間に作業服姿の青年が現れる。
  ブリゲッラ   彼が時空パイルバンカーですか?(一同爆笑)
  フィル   生体兵器だったのか(笑)。
  GM  『残念だけど、僕はまだその域まで達してないよ』
  ライム   どの域だよ(笑)。
  GM  『僕はジョナサン・ヘッドフィールド。《ガングニール》の開発者さ』
  ジェイン   え、じゃあエミリーさん何やってんの?
  GM  『あたし、研究は好きだけど、何かを組み立てるとか苦手なの』
『で、エミリーから、音波増幅装置が見つかったって聞いたんだけど、見せてもらっていいかな。
 ほう……ほう……ほほほう……』
 しげしげと《マイマイク》を眺めて。
『確かに。これを組み込めば《ガングニール》は完成するよ』
  ブリゲッラ   え、組み込んじゃうんですか?
  GM  『バリアを破ったらすぐに返すよ。じゃ、ちょっと待っててね』
 中庭に出ると、全長5mの巨大なパイルバンカーが置かれてまして。
 がしゃがしゃがしゃん、とジョナサンが《マイマイク》を組み込み、
『はい、完成』
  ジェイン   ええー!? かんたんー!?(笑)
  GM  『だって、あとは音波増幅装置を組み込むだけだったし』
  ジェイン   じゃあ、これで海域を突破できるわけだな。
  GM  『ところでエミリー、あれを撃つ許可は取ったのかい?』
『後で取るわ』
  ライム   だと思いました(笑)。
  ジェイン   ま、俺たちも時間がないしな。で、どうするんだ。パイルバンカーをロアに搭載するか?
  GM  『そんな必要はないわ』
 言って、エミリーがぱちんと指を鳴らすと、屈強な男たちが現れ、えっほえっほとパイルバンカーを運び出していく。
  フィル   ……。あれはいったい。
  GM  『パイルバンカーを運んでいるのよ』
  フィル   いや、あの男たちはいったい(笑)。
  GM  『ウチの使用人だけど?』
 けろりと言いつつ、やがてパイルバンカーは岬に運び込まれ、エミリーたちもついていく。
 何隻もの帆船が並んだ港のなか、桟橋の先端に陣取る感じ。
  ジェイン   まさかそこから撃ちこむつもりか!?(笑)
  GM  『ええ、ここからなら問題ないわ。じゃあ、撃っちゃうけどいーい?』
  一同   いいでーす。
  GM  『ではさっそく――』と言ったその瞬間、ざばぁあああっ! と目の前に巨大な水柱が立った!
 そこから現れ、宙に浮遊するのは、黒いオーラをまとい、手に黒い剣を携えた……銀色スーツの男だ!
  ジェイン   オメガかっ! 登場が早いじゃないか。
  GM  『なにやら怪しげな商品が開発されたと聞いてな』
  フィル   このパイルバンカーさえあれば、レイバリアも一発ですよ。
  GM  『そのパイルバンカー、いくらで?』(一同爆笑)
  フィル   5億ギャラくらい(笑)。
  GM  『ふむ。出せなくはないな。なぜなら私は時空商人ッ!』
  ブリゲッラ   じゃあ、一発撃ったら商談しますんで、そこどいてくださいよぅ。
  GM  『そういうわけにはいかんな』
 オメガが、スッと黒い剣を《ガングニール》に向ける。
 するとジョナサンが、怪訝げな顔になった。
『あれ? 《ガングニール》のエネルギーゲインがいきなり0になったよ?』
  ジェイン   その黒い剣の影響かッ!
  GM  『人間の力というのは恐ろしい。こんなものさえ開発できてしまうとはな。
 そこのジョナサンという彼とは後でみっちり商談するとして、おまえたちはここで止めさせてもらおう』
  フィル   オメガ、そろそろ宇宙へ帰ってもらえませんか。
  GM  『それはできん。我らの故郷は滅びてしまったのでな。
 だが、異質なる生命体である我々を受け容れてくれるほど、この星の生物は寛大ではない。
 ゆえに、みな等しくARMの肉体を得ることで、我らは平和を得たいのだ』
  ジェイン   それを止めるために俺たちがいるんだぜ。
 ディザスターの力は信用できないからな。
  フィル   ノーブルレッド的には寿命が減りますしね(笑)。
  GM  『ならば決着をつけるしかないか――』
  ジェイン   一人でいいのか、オメガ?
  GM  『これ以上、同胞に無理をさせるわけにもいかんからな。
 この俺の力、見せてくれよう!』
 では、戦闘に移るッ!



 裏話Part1へ

 続くッ!