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WILD ARMS SRS


『BAD GUYS』




Opening.『いろいろ波乱な渡り鳥たち』


  GM   はい、セッション始めます!
 では、キャラクターの自己紹介の方をしていただきたいと思います。



 数人が同じテーブルに着き、紙や筆記具やトランプや飲み物を広げているという、この光景。
 実は、これからゲームを始めるところなのです。

 その名は、『テーブルトーク・ロールプレイング・ゲーム』
 遊び方が書かれたルールブックを元に、「ゲームマスター(GM)」が作ったシナリオを、「プレイヤー」が作った「プレイヤー・キャラクター(PC)」で遊ぶ――
 という、たいへん変わったゲームです。

 そしてこれは、「リプレイ」と呼ばれる新感覚文芸媒体。
 テーブルトークRPGのプレイ風景を録音し、さらに編集して作成された読み物です。

 テーブルトークRPGの遊び方は、実際に遊んで見ないとなかなかよくわからないものですが、リプレイは、このゲームの雰囲気を、おおよそ察する手助けとなるのです。

▼『ワイルドアームズSRS』
 コンピュータRPG『ワイルドアームズ』を、『SRS(スタンダード・ロールプレイングゲーム・システム)』で再現した、二次創作システムです。
 今回は、そのデザイナーがGMとしてセッションを行い、私がプレイヤーとして参加して、リプレイを書いています。

▼『ワイルドアームズ』とはッ!?
 『ソニー・コンピュータエンタテイメント』から発売されている、コンピュータRPGのシリーズです。
 『メディア・ビジョン』製作の、異世界『ファルガイア』を舞台に繰り広げられるマカロニ・ウェスタン・ファンタジー。その作風は、『荒野』『口笛』『ッ!』という3大キーワードによって表されています。
 なお、『ワイルドアームズ』シリーズの舞台『ファルガイア』の設定が作品ごとに異なっているのにあやかって、このセッション用のオリジナル『ファルガイア』でプレイすることになりましたので、『ワイルドアームズ』をご存じない方にもお楽しみいただけるはずです。





  プレイヤーA   はい。では私から。『レティシア・アーメンガード』。16歳、女。
 クラスは、『吸血種族ノーブルレッド』/『紋章魔術師クレストソーサラー』/『魔装騎士エクスキャバリア』。
 かつては、アーメンガード家と言えば、荒野にその名を轟かせる名家だったんですが――
 ウチの親父が、吸血鬼を嫁にして、入れ込みくさりやがりまして。
 没落してしまったアーメンガード家を再興するために、渡り鳥として活躍し、名声を高めようと画策している日々です。
  プレイヤーB   こちらは『アクティオ』。人間の男です。
 クラスは、『人間』/『高速剣士ブレードスナッパー』/『暗躍者ナイトレイダー』。
 かつて起こった戦争に傭兵として参加してたのですが、敗残兵となり、渡り鳥の酒場のマスターに拾われて転がり込み、仕事をこなしていくという、その日暮らしです。
  プレイヤーC   私は『イレーヌ』です。
 クラスは、『魔族』/『高速剣士ブレードスナッパー』/『突撃手アサルトバスター』。
 なにか濡れ衣を着せられ賞金首になっておりまして、『私は無実だ!』と叫んでおります(笑)。
  プレイヤーD   私は『アインス』
 クラスは『古代種エルゥ』/『守護獣神官ゾアプリースト』/『聖職者セイクリッドセイバー』。
 回復役ですね。ある呪いを受けて、ある異国から流れてきました。でも本人はあんまり気にしていない。常にポンチョをかぶった、もっさりしたナニか。
  一同   『もっさりしたナニか』ッ!?(笑)
  GM   えー、では、君たちは現在、『ジョリーロジャー』と呼ばれる、大陸中央あたりにある街の、酒場『ねじれた狐の巣穴亭』にたむろしております。
 アクティオの面倒を見ているカンパネルラという男が店主をしており、その娘であるロザリアが、看板娘として働いています。
 みなさんは、すでに組んで何度か仕事をしていて、ここを根城にしていると。
 街は今日も賑やかで、店も客も大入りの大繁盛。ロザリアは、『次、三番テーブル、これ持ってってー』とアルバイトたちに指示を出し――
  アクティオ   はーい。(いそいそ)
  GM   おまえか。(一同笑)
  レティシア   くだ巻いてます。ロザリアー、エール追加ですわー。
  GM  『忙しいから後でねー』
  レティシア   追加ー! 追加ぁーっ!(だだっこ)
  アクティオ   (いい声で)お待たせしましたー。
  レティシア   ありがとう。ぐびぐび。ううっ、お父様のバカヤロー!
  GM   とかやってるとですね、君たちのテーブルに、ロザリアがやってきます。
『あのね、レティ。ツケがたまってるんだけど』
  レティシア   それはその……出世払いで……10年か20年か後には……。
  GM  『もー、イレーヌもアインスも、ちゃんと止めてやってよ〜』
  イレーヌ   いやぁ〜、いつものことだしぃ〜……ねえ?
  アインス   『巣穴亭』の名物ってことでいいんじゃないかなー。
  GM  『はあ〜。はい、これ』
 ポケットから何かを取り出します。
  レティシア   お金!? お金ですの!? うへへ! うへへ!(一同笑)
  GM  『お金になるものよ』
 視線をすっと、他のメンバーに向けて――
最下層ボトムズなあなたたちのために、仕事を請けてきてあげたの』
 渡された紙に、趣旨が書かれているわけですけども。
 【理知】で判定してください。
  一同   はーい。(ころころ、とダイスを振る)



 テーブルトークRPGでは、「成功するかどうかわからない行為」を実行する際、「判定」を求められます。
 「SRS」においては、「能力値」「2D6(6面体ダイス2個の合計値)」を加算した値が高いほど、その判定で良い成功を収めたものとして扱われます。



  GM   10を越えたらわかる。
 護衛の依頼と書いてますね。
  アクティオ   わかんなかった奴って、これ読めなかったってことですか!?(一同笑)
  イレーヌ   ねーねー、ゴエイってなに〜? 何の話してるの〜?(←判定に失敗した)
  レティシア   ゴエイっていうのは、この街に伝わるお酒のことですわ〜、ぐびぐび。
  GM  『レティ。私、【体力】が18あるんだけど――』
  レティシア   話を聞きましょうか。(キリッ



 大陸横断鉄道『ガングニール』
 今回の依頼は、それが運ぶ貨物の護衛、及び、隣州の街『タウンメリア』への運搬でした。
 その街に住む『アーヴィング』氏が、それを必要としているということ。



  GM  『まあ、あんたたち、なんだかんだで腕っぷしだけは一人前以上だし』
  イレーヌ   そーそー、ないのはお金だけだよ〜♪
  レティシア   お金ッ……! お金さえあればッ……! ううっ……!
  アクティオ   頭(知力)も……ないなあ……(笑)。
  イレーヌ   なんか言ったかな〜?(笑)
  レティシア   お金があれば、頭だって買えますわよ。
  アクティオ   どこの世界の話ッ!?(一同笑)
  GM  『成功したら、たまってるツケの3分の1をチャラにしてあげる』
  アクティオ   そのうち10分の9はレティシアのなんですけど!?(一同笑)
  GM  『一蓮托生って、いい言葉よね』
  アインス   こわーい。
  アクティオ   な、なぜこんなことに……。
  レティシア   ではみなさん、バッドステータス「やるせない」を受けてください。
  アクティオ   なにバッステ飛ばしてんですか!?(一同笑)
  GM  『ま、さすがにそれだけだとアレだから』
 と言って、財産ポイントを2点ずつ、お小遣いとしてあげましょう。
  一同   わーい。
  GM  『じゃ、出発は明日の朝ね。それまでに準備とか整えといて』



Middle.01 『なんかもうアレな出会い』



 旅立つ前に、情報収集を行う一行。
 それによって、次の項目が判明しました。

▼運ぶ貨物は、魔力を秘めた「ちいさなはな」の加工結晶。

▼鉄道が通る地域で落盤事故があり、鉄を捕食する魔獣「メタルタラスク」が冬眠から覚めたらしい。

▼港町タウンメリアは、最近ちょっと治安が悪くなり、商店街の商売があがったりらしい。



  GM   では、翌朝です。
  レティシア   飲みすぎましたわ……。うっぷ……。
  イレーヌ   はいはい、そんなこったろーと思ったよ〜。(背中をさする)
  GM   君たちは駅に到着します。
 レンガ造りの、渋谷駅くらい大きな駅です。何本か線路が交錯していて、観光客や渡り鳥、商売人など、いろんな人が集まって、賑わいを醸し出している。
『次の列車、間もなくでーす』
  アクティオ   では、列車に乗りますか。
  GM   そこで、みんな1D振って。(結果を見て)――いちばん出目の低かったイレーヌ、【知覚】で判定。
  イレーヌ   (ころころ)15〜。
  GM   では、10歳ちょいの男の子が、君に向かってぶつかってきた。
  レティシア   (ナイフを腰だめに構えるポーズで)『死ねー!』(一同笑)
  イレーヌ   おっと危ない!(笑)
  GM  『マジでッ!?』
 少年の右手が、君の懐に財布を求めて伸ばされたのを察知し――
  レティシア   痴漢よッ!!
  GM 違ェよッ! 物盗りだよッ!
 ……違ェよッ! 物盗りじゃねェよッ!!』(一同爆笑)
  レティシア   語るにフォーリンとはこのことですわねッ!
  GM  『くっ、俺の目からティアドロップだぜッ!』
  イレーヌ   で、そのティアドロップ君が、ここで何してんのッ!
  GM  『ティアドロップじゃねェやッ! オイラには、立派なトニーって名前があるんだいッ!』
  レティシア   なるほど、物盗りのトニーさん。
  GM  くうッ、なぜそれをッ!?
 おまえら、さてはスゴ腕の渡り鳥だなッ! ちいッ、オイラとしたことが、カモる相手を間違えたぜッ! ここは、三十六計ランナウェイにしかずだッ!』
  レティシア   《ディザーム》で捕縛します。ぺちん。
  GM  『や〜め〜ろ〜よ〜! まだ盗ってないだろー!』
  レティシア   未遂も犯罪ですわ。お金は大切なんですのよー!
 いいですか? 金を盗られるっていうのはね? フフ? ウフフ……?
 と、血の涙を流します。
  GM  『怖いッ! 怖いよォオオーッ!!』
  アインス   レティシア、怖がってるよ。(ぐいっと襟を引っ張る)
  アクティオ   少年、なぜこんなことをしたんだい?
  GM  『あ、あんたら、オイラの事情を話したら、情にほだされてくれるかいッ!?
  アインス   ま、事情次第だねえ。
  GM  『オイラ、実はタウンメリアに行きてえんだ……。
 あそこに、妹の薬を買いに、先生のいるところに行かなきゃなんねえんだ……』
  アクティオ   お〜いおいおいおい!(泣) 許す! 許すぞおッ!!
  一同   早ッ!(笑)
  GM   で、彼はぼろぼろの巾着袋を取り出して――
  レティシア   (無言で手を伸ばす)
  アインス   すぱーん。(ダガーで殴る)
  GM  『薬を買うための金は貯まったんだけど、列車にも金がかかるって、オイラ、思ってなくて……』
  レティシア   そういうときは列車の下にしがみつけばいいんですのよ。
  アインス   それ力強く死んじゃうよ。
  GM  『だから、呑気に歩いてる、ユルそうなおまえらがカモれればと思って……! オイラ……オイラ……!』
  イレーヌ   うーん、最後の一言がなければ許したんだけどなぁ〜(笑)。
  GM  『なッ、頼むよッ! 財産ポイント4点分あれば買えるんだッ!』
  イレーヌ   じゃあ、どうする――(言いかけ、隣で痙攣しているレティシアを見て)……どうしよっか?(笑)
  アクティオ   オレは出すッ! 出すぞうッ!(泣)
  GM  『この兄ちゃん、ちょろいやッ! やったぜッ!』
  レティシア   (コインをつまんで震える右手を、必死に左手で制御しながら)早くッ! 早く持っていきなさいッ! 私の左手がこの右手を抑えているうちにッ!!
  アインス   なんだかんだでちゃんとレティシアまで出すんじゃあ、僕らも出すしかないよね。
  イレーヌ   ここまでがんばって出されちゃうと、断れないなあ〜。はい。
  GM  『ありがとうッ! オイラ、これでチケットが買えるよッ!』
 さっそく、チケット売り場に走っていきながら、振り返って――
『ありがとうッ! チョロくてカモれる兄ちゃんたちーッ! おかげで妹の命が助かるよッ!』
  アインス   一言余計だなぁ……。
  アクティオ   ふたりで末永く幸せに暮らすんだよッ!(泣)
  イレーヌ   うーん、なんかカモられた気がするな〜。
  GM  『間もなく列車が出発しまーす』
  イレーヌ   あっ、急がなきゃ!
  レティシア   この辺に財産ポイント1点くらい落ちてませんかしら……。(がさごそ)
  アクティオ   恥ずかしいからやめなさいッ!(一同笑)
  アインス   ずるずるずるずる。(引きずっていく)
  レティシア   ああ〜〜〜〜〜。
  GM   では、そうして、あなたがたは大陸横断鉄道『ガングニール』に乗ることになります。



 ――次回へ続くッ!